ボトックスでマリオネットラインの改善~その2

以前に、ボトックス注射であごのラインをリフトアップして改善する『ネフェルティティリフト』の変法によるマリオネットライン改善の症例を「ボトックスでマリオネットラインの改善」でご紹介しました。

同じ方法について、モニター様の症例を経験できましたので、ご紹介します。

モニターの方は50代の女性で、上段がボトックス注射前、下段がボトックス注射の2週間半後(17日後)です。

ボトックスリフトによるマリオネットラインの改善、右斜め
ボトックスリフトによるマリオネットラインの改善、正面
ボトックスリフトによるマリオネットラインの改善、左斜め

いかがでしょうか?

やはりマリオネットラインが改善していますね。
(くっきり感が減っている)
注射前ではあご先が過緊張していたのが注射後には和らいでいることも分かるかと思います。これによって、あご先がシャープというか「シュッ」となります。

また、光の加減が多少違うせいもあるかもしれませんが、あごのライン(顔と首の境目)がくっきりとしたようにも見えますね。

この治療に伴うリスクは、「食事の際に下唇と歯の間にごはん粒がたまる」現象や、内出血などがあります。
メニューにはまだ掲載していませんが(費用は初再診料は別で75,000円を予定しています)、興味があるという方、モニターご希望の方がいらしたら声をおかけ頂ければ幸いです。

ボトックス注射だけで効果が足りない場合は、ヒアルロン酸注入などとの併用が効果的です。
よろしかったら、下記もご覧下さい。

しわ・たるみが気になる方
ヒアルロン酸注入
ボトックス注射

新型コロナ肺炎と男性型脱毛症の意外な関係

パンデミックを引き起こしている新型コロナ肺炎ですが、早い時期から男性の方が重症化しやすいことが指摘されていました。その理由として喫煙率や生活習慣などが取り沙汰されていましたが、もう一つの可能性として、男性ホルモンが関係するかもしれないという論文が発表されていました。

新型コロナウィルスが感染する際には、コロナウィルスの表面にある『スパイク蛋白』と呼ばれるたんぱく質が、ヒトの肺などで発現している『ACE2』(アンジオテンシン変換酵素2型)と結合することでウィルスが細胞の中に取り込まれるわけですが、それに先立って、スパイク蛋白が修飾を受ける必要があります。
この修飾(実際にはスパイク蛋白の一部分が切り取られる)をするたんぱく質がTMPRSS2(膜貫通型蛋白分解酵素セリン2)なのですが、男性ホルモンはこのTMPRSS2の発現を制御しているのです。

男性ホルモンの働きで、TMPRSS2の量が増え、TMPRSS2がコロナウィルスのスパイク蛋白を「修飾」することでコロナウィルスはACE2を発現する細胞に入り込めるようになる ― つまり理論上、男性ホルモンが間接的にコロナウィルスの感染を促進するだろうということです。

同じメカニズムはSARS(2003年に流行したコロナウィルス肺炎、新型コロナとよく似ている)でも実験的に確かめられています。さらに、TMPRSS2はインフルエンザウィルスの細胞侵入も促進します。

Gorenらは、上の仮説を確かめる目的で、スペインに於けるコロナウィルス肺炎の患者らについて、男性型脱毛症(AGA)の有病率を調べました。
その結果71%が「臨床的に有意な」AGAで、29%が軽度のAGAの症状を有していました。
比較対象となる、スペインの一般人口に於けるAGAの有病率は残念ながら無いのですが、白人(Caucasian)でおよそ31%から53%くらいと言われているそうです。

新型コロナ肺炎は、報道を見る限りは欧米での感染拡大が深刻で、アジアでは欧米と比べて感染者数も重症者数も少ないように見受けられます。アジア人には比較的優しいウィルスと言ってしまうと先走り過ぎかもしれませんが、医師向けの掲示板(m3.com)でもそうした見方は話題になっています。
その理由として、BCG説も取り沙汰されていますが、何らかの遺伝要因の可能性ももちろんあるわけです。

その遺伝の要因として、上記の男性ホルモンは候補の一つになり得るでしょう。
男性型脱毛症の人種による違いは、アングロサクソン(白人)は若くして発症して進行も早い、日本人は遅く発症して進行もゆっくりなのだそうです。

さて、男性ホルモンが新型コロナウィルス感染を促進することが本当だとしたら、あるいは新型コロナウィルス肺炎の重症化に男性ホルモンが関与しているのが本当だとしたら、男性ホルモンをターゲットとした治療が新型コロナウィルス肺炎の重症化を抑制する一つの候補になり得るのかが気になるところです。

今のところ、その証拠はありませんが、Gorenらはその検討はすべきだろうと結論づけています。
具体的には、AGAの治療薬として私たちが日々処方している、ザガーロやプロペシア(ザガーロの方が男性ホルモンの抑制作用が強いので、上記の目的では効果が高そう?)が、特にAGAの方々では新型コロナ肺炎の重症化リスクを抑制する可能性があると考えられます。(あくまで「可能性」です、念のため)

私たち美容・形成クリニックは医療機関とはいっても新型コロナとは縁が遠そうな分野と思っていましたが、意外なところでつながってるみたいだ、というお話でした。

文献>

Goren A et al
A preliminary observation: Male pattern hair loss among hospitalized COVID-19 patients in Spain – A potential clue to the role of androgens in COVID-19 severity.
J Cosmet Dermatol. 2020 Apr 16

Hoffman M et al
SARS-CoV-2 cell entry depends on ACE2 and TMPRSS2 and is blocked by a clinically proven protease inhibitor.
Cell 2020: 1-10

「板見教授インタビュー: 男性型脱毛症(AGA)になるメカニズム」
https://www.aderans.co.jp/kamiwaza/kami_trivia/itami_01_choice/

Uビューティクリニック、開院準備の進捗について

Uビューティクリニックのホームページにて既にお知らせしておりますが、開院は4月14日(火)を予定しております。(健康保険を適用する診療については5月1日からの予定です)
一方の、前進となる海老名メディカルサポートクリニック美容外科・美容皮膚科は3月25日(水)に最後の診療を終えて、閉科致しました。永くご愛顧を頂き、通院して下さった患者の皆さま、また、関わったすべての方々に深く感謝申し上げます。

(なお、海老名メディカルサポートクリニック美容外科・美容皮膚科は、手続き上は「休診」という形にするようです)

ご案内が遅れておりましたが、電話番号が正式に決まりました。

(046)-240-0815

上記がUビューティクリニックの電話番号となります。
電話にてのお問い合わせやご予約の受付は4月14日(火)からとさせて頂きますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

コロナウィルス感染が蔓延しております。不安を抱えて、また様々な不便を感じておられる方が多いことと思います。
(もちろん、私もそうした一人です)
感染を100%防ぐ方法はありませんが、少しでもリスクを抑えるために、Uビューティクリニックでは次亜塩素酸水生成器を設置し、次亜塩素酸水の噴霧による空間除菌を実施致します。また、医師、スタッフ一同、マスクを着用し、頻回の手洗いを励行致します。

また、患者の皆さまにもご協力を頂きたいと思います。
何となく体調が悪い、微熱がある、咳・くしゃみ・鼻水・のどの痛みなどの風邪症状がある場合には、来院前にご相談して頂けたらと思います。

また、リスク軽減のためのオンライン診療については現在検討中です。

厳しい状況での開院となってしまいますが、ウィルス感染の拡大を少しでも抑えられるよう、できることをして行きたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。