ボトックスでマリオネットラインの改善

たるみの主な原因は、肌を支える支持組織の緩みやさらに深部の骨の萎縮などですが、実は自分の筋肉が「わざわざ下に引っ張っている」こともたるみの一因になっています。

「広頚筋」は首の前面の広い範囲の皮膚直下に広がっている薄っぺらい筋肉ですが、この筋肉の緊張によって、あごのラインが下に引っ張られているのです。
この下に引っ張っている筋肉の力をボトックスを使って弱めることで「あごのラインをリフトアップ」して、あごから首にかけての美しいネックラインを実現するのが『ネフェルティティリフト』です。

ネフェルティティは、古代エジプトのファラオの正妃で、黄金のマスクで有名なツタンカーメンの義母にあたる人です。クレオパトラと並ぶ古代エジプトの三大美女の一人とされていて、その美しい胸像が特に有名なこともあり、それにちなんで「ネフェルティティリフト」と名付けられたようです。

今回は、このネフェルティティリフトの原法の一部を省略して、あごのラインにボトックスの注射をしました。
(同時に、前額、眉間、目尻・目の下などにもボトックスを注射していますが、こちらはあごのラインには影響を及ぼしません)

お見せする症例写真は50代女性の方で、上段がボトックス注射前、下段がボトックス注射の約3週間後(19日後)です。

ボトックスリフトによるマリオネットラインの改善、左斜め
ボトックスリフトによるマリオネットラインの改善、正面
ボトックスリフトによるマリオネットラインの改善、右斜め

如何でしょうか?
マリオネットラインの改善(もともと左右差がありますが、左側=写真の右側で大きく改善しています)、口角の挙上(左右差が出ていて、左=写真の右が特に上がっています)などがはっきり分かるかと思います。

左右差は、効き目の弱い側にボトックス注射を追加することで修正することが可能です。

副作用は、「食事の際に、下唇と歯の間にごはん粒がたまる」現象が見られました。
これは、あご先のボトックス注射でときどき見られる副作用ですが、今回はそれが特に強めに出ました。

その他、内出血などが主なリスクとなります。
(今回は殆どなかったようです)

ボトックス注射だけでマリオネットラインがこれほど改善するのは魅力的ですね。
メニューにはまだ掲載していませんが(費用は初再診料は別で75,000円を予定しています)、興味があるという方、モニターご希望の方がいらしたら声をおかけ頂ければ幸いです。

ボトックス注射についてはこちらをご覧下さい

アラガンのICCサミットに参加してきました

昨日、アラガンの勉強会に参加してきました。
「ICCサミット」という会でしたが、タイトルだけ見ても何の勉強会か分かりませんね。

アラガンは注入系治療の代表である、ヒアルロン酸やボトックスの製剤を販売している会社です。
アラガンの勉強会は時々開催されていて、製剤についての説明や、注入テクニックなどを学ぶ良い機会となっているのですが、今回はそうした技術的なことは当然の前提とした上で、ヒアルロン酸やボトックスなどの注入治療をどのように患者様にお勧めしていくかを学ぶ会でした。

総勢37のクリニックが参加して、各クリニックでの取り組みをポスターにしてお互いに発表しあった他、今泉明子先生やアラガン内の研究グループの方の講演、患者役とスタッフ役に分かれてのロールプレイなど、とても勉強になる会でした。

美容医療というのは、患者様の病気を診断して治療する一般の医療とは異なって、一人一人の患者様がそれぞれお持ちのお悩みに対して医療をご提供していくもの。
例えば、一口に「ほうれい線が気になる」と言っても、背景にあるお悩みや目的はお一人お一人で異なるので、最適な治療も当然、全員に同じで良いわけではありません。

患者様の真のニーズを汲み取って、最適な治療をご提案していく― そのためにカウンセリングをどう進めていくのか。
時間をかけて患者様のお話しをじっくりとお聞きする、これは今までも心がけていましたが、それだけではないということを学びました。

さっそく日々の診療に役立てていきたいと思います。